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ROMA

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オスカーノミネートで話題になっているので見てみました。

 

オスカーについては復習お願いします。

kabkabsunshine.hatenablog.jp

 

ゼロ・グラビティ

 

 

監督の作品で、ゼロ・グラビティのような大作と比べてよりインディ色の強い、高い作家性の強調された作品として評価されている様です。

 

この映画についての玄人筋の批評を見ているとどうやら映画としての論争以上の要素で議論されている様です。

 

 

史上初づくし?

参照元https://theriver.jp/roma-oscar-nominated/

アカデミー賞にて作品賞・外国語映画賞に同時ノミネートされるのは、Netflix作品としても動画配信サービス製作の作品としても本作が初の快挙となる。スペイン語の作品が作品賞にノミネートされたことも初めてで、もし受賞となった場合、外国語の映画としては史上初の作品賞受賞となる。さらにアルフォンソ・キュアロンは監督賞・撮影賞に同時ノミネートされているが、同じ年に同じ作品で監督賞・撮影賞にノミネートされるケースも史上初だという。

オスカーが何かもわからないほどアカデミー賞については知見のない私ですが、Netflix作品としての作品賞、外国語映画賞ノミネートが初とのこと。Netflix作品は評価が高いものが多々あるので既に受賞しててもおかしくないくらいの感覚でいたので意外でした。

 

何が争点なのか?

参照元[702]キュアロン最新作『ROMA/ローマ』とNetflix問題 – IndieTokyo

 メキシコを舞台に、スペイン語を話す無名の俳優たちで作られたパーソナルな作品『ROMA/ローマ』は、同時にAlexa65で撮られた白黒の65mm作品であり、Dolby Atmosを使用した音響効果も圧倒的であるという。キュアロンらしく巨大スクリーンで鑑賞されることを前提としたスペクタクルな側面を持つ映画として製作された訳だ。

まず前提として本作品が巨大スクリーンで鑑賞されることを前提としていること。

 

当初プロデューサーはNetflixの配給プランに対して賛同的であった。

プロデューサーを務めるデヴィッド・リンドは次のように述べている。

「留意していただきたいのは、今日の映画マーケットにおける非英語作品の扱いは非常に複雑なものだということです。私たちは、様々な問題を慎重に検討し、この作品が劇場で上映されることを重視すると共に、可能な限り多くの観客に届けるために最良の方法を選択しようとしました。そして世界中でこの作品が上映されるためには、Netflixが私達に示した配給プランが最も説得力があるものだったのです。」

 ところが、、、、

Netflixオリジナル作品となった『ROMA/ローマ』は、コンペ部門での上映が決まっていたカンヌ国際映画祭から取り下げられることになった。カンヌのコンペ部門にエントリーされるためにはフランスの映画館で上映される必要があり、その作品はまたその後3年間は同国内でストリーミング配信することを禁じられる。これを嫌ったNetflixによる決定だった。これは昨年に引き続いて起きたNetflixとカンヌとの争いの第二ラウンドともなった。カンヌ総代表であるティエリー・フレモーは、毎月のように膨大に新作が公開されるNetflixのラインナップの中で、年に一本くらいを例外として国際映画祭に出品し劇場公開することを検討できないかとNetflixにオファーしたが、彼らはそれを拒否し、コンペ外で上映される予定だった他の作品も映画祭から引き下げる決定を下したのだ

 

映画を制作している人たちにとっては映画館で大画面で高音質で見てもらうことを想定しているにも関わらず配給するNetflixとしては映画祭で受賞するための最低限の上映を行うやり方をしている様です。またカンヌのコンペをおりるあたりNetflix側のビジネスモデルに対する強い意志を感じぜざるを得ません。

 

パラダイムシフト

自分なりにこの状況を20年前に予測していました。

映像、音楽等メディアはインターネットの波に飲み込まれて大きく当時の様相と変わっていくだろうと。ただ一点私の予測と異なっていたのは既存のメディアないしは流通網を持った巨大企業がインターネットを利用して自分たちのビジネスの提供チャネルを当時より消費者に対して便利な形に変えてくるのだろうと思っていました。

ところが蓋を開ければ音楽配信applespotifyに、動画配信事業はNetflix、Fuluと新興企業群のシェアが圧倒的です。現状既存の大企業たちはブランド力を武器に今も第一線で(以前よりも元気がなくなってきている気もしますが)動いています。

キュアロンは、次のようにコメントしている。

「フランスの観客がこの作品を映画館で見られないことにわたしは大いに落胆しています。この映画は大スクリーンで見られることを前提に作られました。オーディオビジュアル的に極めて野心的な作品です。現在、映画の世界ではパラダイムシフトが進行していることを私たちは認めなくてはなりません。それは劇場公開とストリーミングプラットフォームとの間で起きていることです。映画の未来はこの間に存在しているのでしょう。」

 なのでこの権威のある映画賞であるオスカーをインターネット配信事業者であるNetflixが制作した配信むけのコンテンツがノミネートされるということは下記ののキュアロンの発言にもある様に認めざるを得ないパラダイム転換が起こりつつある時代が来ているということになります。

 

とは言え恥ずかしながら私は通勤電車の中で小さいなiphoneの画面でbluetoothのイヤホンで音を聴きながらこの映画(配信動画)を見ました。

今回ブログに書くにあたりこの作品関連の情報を調べれば調べるほど映画館で見るべき作品だなと強く感じました。

実際シロウトながら作品を見ていると(映画の中で「宇宙からの脱出」等の引用があったり)監督の映画に対する強い愛情が伝わって来ました。自身の若かりし日の思い出を投影した作品とのことですが、映画館でこの映画を見て自分の心象を伝えるための手法を駆使しているのではないかと思います。

 

現状日本では一般の映画館では上映されていない様なのでアカデミーの受賞をきっかけに上映されると嬉しいですね。

動画配信から素晴らしい作品が世に広まり、評価を得ることができたので映画館での上映という流れが生まれればこれも新しいパラダイムと行ったところでしょうか。

 映画、Netflixパラダイムシフトもさることながら映画自体が素晴らしかったです!

見た後に町山智浩さんのラジオの書き起こしを読んでより映画に対する理解が深まりました。いつ読んでも流石の知識量。勉強させていただいてます。

miyearnzzlabo.com

 

 

 

 

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