kabkabsunshine’s blog

読書メモ、投資のこと、日々の学び

亀井博司の基礎から学べる現代アート

  • この本について

ふと思い立って数ヶ月前からipadでイラストを描き始めました。理由はipad買ったものの、ほぼ全てがパソコンでやりたいことができてしまうので、なんとかipadの機能を活かしてみたいというお試し的な取り組みでした。

絵など小学校の図画の授業依頼描いていない人間なので、実際にイラスト描き始めると何を描いて良いのか、どうやって描いて良いか全くわからないので書き方から調べました。

イラストを描いているうちに、アートとは何か?というどうでも良いようでいて人生の中で知っておいたらすごく良いのではみたいな気持ちになってきました。

さて、アートが何かを調べるために毎週末を美術館巡りに費やすこととなるのですが、正直展示されている作品の何が良いのかさっぱりわからずなんとも言えない気持ちで家に帰るということを繰り返していきます。そんな時に出会ったのがYoutube現代アートを基礎から学べるチャンネルです。


www.youtube.com

 

この現代アートを基礎から学べるチャンネルの内容を書籍化したのが"基礎から学べる現代アート"です。

アート関係の本はテーマを絞った内容であったり、美術史の内容であっても専門家の難解な説明をしているものが多いのですがこの本は時系列に私のようなズブの素人でも理解できるところまで噛み砕いて書いてくれています。今まで名前は聞いたことがあるが意味のわからない用語もなんとなく理解することができました。

 

アートは歴史を理解することで、当時その作品がなぜ作られたかが理解できるということがわかりました。

アートに興味はあるもののハードルが高すぎて入り口に入れない人にとっては絶対にお勧めできる一冊です。

 

 

 

 

  • 内容について

この本は現代アートが大好きな臥蛇峠美美ちゃんが、幼馴染で美美ちゃんが立ち上げたサークル所属する薄流穂山学雷君にアートについて教えてあげるという対話形式で構成されています。学雷君はアートにはそこまで興味ないのですが、美美ちゃんのことが好きなので、なんとか理解しようと努めます。そして徐々にアートの楽しさに気づき始めていくことになります。

二人の対話内容のサマリが各章の最後にまとめで1ページで簡略まとめられておりこれがわかりやすくて嬉しいです。

 

以下目次とどのような内容について記載されているかざっくりと書いてみます。

印象派キュビズム、ダダについて解説されています。

後半でデュシャンに触れ現代アートの始まりについて触れます。

この章ではダダ、シュルレアリスム、抽象表現主義について解説していきます。

またシュルレアリスム、で使用されたオートマティスム等の解説もわかりやすくしてくれいています。

この章では前章で出てきた抽象表現主義にフォーカスして説明しています。

アクションペインティング、カラーフィールドペインティングなどの表現手法や、パフォーマンスアートについても解説してくれています。

この章も抽象表現主義以降のアートについての記載が続きます。

抽象表現主義の背景にあるモダニズムポストモダンの考え方や、ミニマルアート、コンセプチャルアート、ランドアートについて解説しています。

この章では前章のネオダダから影響を受けたポップアートについて書かれています。

ジョンケージ、ジャスパージョーンズ、ウォーホールリキテンスタインについて解説されています。

この章では現在進行形のムーブメントを含む流れを説明しています。

マルチカルチャラリズムからのリレーショナルアート、ソーシャリーエンゲージドアートについて書かれています。

この章ではYBAの話から始まり巨大アートマーケットの台頭や、クリスティーズサザビーズ、フィリップス等のスカルオークションの流れについて説明しており、アートとマーケットの関係について説明してくれています。

前章までで一旦アートの歴史についての解説は終わりとし、この章では現在進行形で現代アートで扱われているテーマについて書かれています。LGBT、女性問題についてやアクティビズムについて触れています。

 

この章では再びアートのマーケット事情についての状況が書かれています。

この章の最後に現代アートを見ること・買うことができるギャラリー、美術館のリストが載っています。

  • まとめ

この本を読んだ後も美術館巡りを続けていますが、明らかに作品の解説を読んだ時のインプットが楽になりました。とりあえず用語が分かるというだけで全然読みやすくなったというのとこういう流れを汲んで、こうなったんだなって考えながら見れるのですごく楽しいです。

一章に書かれていたパンチラインを引用します。

現代アートは歴史とルールを知ると面白くなる!

この本を読んで得ることができた最強のインプットです。

youtubeと併せ一家に一冊おいときたい本でした。おすすめです!