HPE Simplivity関わって一年強での感想サマリ
HPEのSimplivityという製品を仕事で扱ってる。
HPEがSimplivityを買収して二年が経とうとしている。
自分の勤めている会社でも扱い出して一年強経ちそこそこ売れてきているので簡単に感想をまとめてみようと思う。
- Simplivityとは
- Simplivityのライバル
- Simplivityの良いところ
- Simplivityのよくないところ
- Simplivityの提案上の注意点
- Simplivityの構築の上での注意点
- 結論
Simplivityとは
HPE社のHCI(Hyper Converged Infrastructure)。
Simplivityのライバル
・Nutanix
・VMware vSAN
・Dell/EMC VxRail
・Netapp HCI
Simplivityの良いところ
・重複排除がすごい(容量効率が良い)
・重複排除はハードウェア(OmniStack)で実行されるためCPU負荷が低減され実サービスの影響がほぼない
・セットアップが(色々経験して慣れると)簡単
・vCenter Serverで一括管理できる。しかもわかりやすい。
・重複排除を利用した(外部保管ではないものの)バックアップリストアが爆速(実データのコピーの発生が最小限なのです)
・物理筐体のRAIDプラス分散RAID(RUIN)を最小しているので頑丈
・VMのサポートもHPEから買うとワンストップで色々聞ける
・問題発生時にサポートがwebexで入ってきて調査してくれる
Simplivityのよくないところ
・値段が高めなので良さをちゃんと説明しないとvSANに負ける
・OVC(キャッシュ用の仮想アプライアンス)がメモリをがっつり食う
・機器にもよるが運用中結構な熱を出す(1Uずつ空けてマウントするのがおすすめ。BIOSでファンを最大にすれば平気。)
※追記 この熱の話は同等スペックであれば他社製サーバーも同様なのでsimpliどうこうという話ではないです。
Simplivityの提案上の注意点
・Hyper-Vは(うちの会社では)構築実績なし。
・電源が200Vのみの型番があるので必ず確認
・3台構成の場合は必ず10Gbpsスイッチも合わせて提案する
・先述のOVCのメモリ容量は事前にお客さまに伝えておく
・増設時にはハードのGenやバージョンマトリクスを入念に確認する
・(なるべく)vCenterは仮想ではなく物理で提案する
Simplivityの構築の上での注意点
・構築するにはHPEのパートナーになる必要あり
・NTPは3っつ以上指定することが推奨(だがなくても動くし、デプロイもできる)
・ヒアリング時に必要IPを理解した上でお客さまと話をする
・vCenterを先に構築する
・(必須じゃないが)vCenterにDeployManagerとArbiterを同居させる
・一台でも構成可能、二台の場合ストレージトラフィックを直結可能。3台からは10Gbpsスイッチ必須。
・シャットダウン時の動きを理解してから出荷する
・L3スイッチなしで構築するとデプロイに失敗する
・DNSはお客様環境と同じIPで構築する必要がある
・監視設定項目を選定すること
・1ノードあたりのオブジェクトストアの最大容量を超える仮想マシンは作れない
結論
今の所は重複排除は他社のHCIに負けない。(VDI系とかすごいハマると思う。)
スナップショットとかVMの機能でしょっちゅうとるお客様であればSimpliのバックアップ使いこなせば快適さに驚きを隠せないはず。
vSANがすごく開発頑張っているという噂を聞くので負けじと価格含め頑張ってほしい。ここ数年関わったプロダクトでSimplivity個人的にはイチ押しです。
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