私の家には10才のフレンチブルドッグがいます。
娘も息子も生まれる前に妻が私に内緒で遠方のブリーダさんから引き取ってきた子です。
当時妻と二人暮らしをしていた渋谷のマンションはペットが禁止だったため、私としては犬を買うことを反対していたし、私自身当時実は犬が苦手(怖い)で、かつ犬アレルギーということもあり突然犬を連れて帰ってきた妻には驚かされ、またケージから出てきた子犬の衝撃的な可愛さに覚悟を決めた時の気持ちと、敵か味方かもわからぬ私を初めてみてプルプルと小さく震えながら後ろずさってよちよちと歩いていた姿は鮮明に覚えています(写真はその日の愛犬の写真です)。それからというもの妻ほどの愛情は注げずとも家族の一員として大切に一緒に暮らしてきて今日に至ります。
フレンチブルドッグの寿命は10才まで生きればラッキーと言われており10才より長く生きた子はフェアリー期と呼ばれその恵まれた時間を大切に過ごすことがフレンチブルドッグの愛好家達の間では通説となっているようです。
そんな愛犬が最近膀胱炎になったので妻が近所の病院に連れて行った際に痩せすぎを心配した獣医の先生が念のためにエコーをとった際に心臓に腫瘍があることに気づき設備の整った病院での再検査を勧められました。
妻からその話を聞いても愛犬は一見いつも通りに普通に暮らしているので実は腫瘍は先生の誤診で本当はなんでもないのではとの淡い期待があったのですが今日再検査の結果を受け残念ながら心臓にできた腫瘍は現実となりました。
とはいえいまだ頭が整理できておらず混乱しているというのが正直なところです。
病状について
心臓の腫瘍について検査での具体的な病気を特定することは現状の技術では難しいとのことでした。そのため亡くなった後に解剖をして初めて確実な特定が可能になるようです。なのでエコーの結果から病状を推測して特定をするという進め方になるそうです。うちの子のエコーの結果からして最も考えうる病状は大動脈体腫瘍というものでした。これは地元の先生、今日検査いただいた先生共通の見解でした。
愛犬の大動脈体腫瘍について
左心房の上部にできた腫瘍でした。腫瘍は6センチほどあり急激にできたものではなくゆっくりと大きくなっている腫瘍とのことでした。
この病状の場合大きく二つの危険性があげられるようです。心臓を外部から圧迫して正常な血流を保てない場合と心タンポナーテ(心嚢と呼ばれる体液が心膜腔に溜まってしまい心臓の動きを圧迫する症状)をとなう場合です。
今後の治療について
腫瘍自体がゆっくりと大きくなる性質の場合抗がん剤治療は効果があまり期待できないとの判断から見送ることとなりました。また今回の腫瘍の大きさと位置から施術して腫瘍を取り出すことは難しいと先生から告げられました。
このケースでの手術としては心タンポナーテの対策としてあらかじめ心膜を切除して心嚢が溜まることや腫瘍が大きくなった際の心臓の圧迫を和らげることが可能になるそうです。手術は5日程度の入院と手術費用を含めて50万〜60万円程度かかるようです。
また病状に効果が期待される投薬も現状免疫力をつける程度のことしかできないとのことでした。
これからの生活について
今日の今日で我々も気持ちが整理できていませんが手術自体で腫瘍が取り除けないことと、全身麻酔が必要なこと、心膜切除の手術自体のリスクが高いことから妻も私も手術に対して乗り気ではありませんが、まだ迷いがあります。
(短頭犬種は呼吸が上手にできなく可能性があり全身麻酔のリスクがさらに高いと言われているそうです。)
腫瘍自体は急激に大きくなるものではなく、炭水化物の摂取により成長するとのことでこれまでの炭水化物中心の食事から、茹で野菜や鳥のささみ等に切り替えていく予定です。
ペットを飼い始めた瞬間から我々より先に犬が老い始めることは覚悟していましたがそれが実際に訪れた時はなんともやるせないものですね。愛犬の残された余生を慎重に後悔ないように楽しい時間を作って行きたいと考えています。